お弁当を三つ作る理由
夫が仕事に行く日はお弁当を作る。
毎日…と言いたいが、そんなこともない。
ご飯を炊き忘れて冷ご飯もない時や体の不調で朝起きられない時にはお休みする。
近頃は、自分のお弁当も一緒に詰める。
そうすると、「今日のお昼何食べようかな?」と悩むこともないし、面倒だからとインスタント食品で済ますこともなく、ちょっとだけ健康に向かうのでは?なんて思う。
自分用にインスタントを買う必要もなく、食材も余りにくくなるので、私の中では一石三鳥と言ったところだ。
今年の5月ごろから、夫の同僚のお弁当も作るようになった。
5月から平日毎日というとすごい量を作っている気がするが、夫と同僚はそれぞれ出張が多いので、実際には30回かそこらしか作ってはいない。
”作るのにひとつもふたつも一緒”
という言葉を聞くが、私も最初そう思っていた。
実際はだいぶん違った。
一人分が、三人ないし二人分となると、まず材料の量がめっぽう増える。
我が家は週1回買い物に行く前提で話しをすると…。
鶏もも肉を入れるとして、ひとりでもも肉半枚使うなら、3人だと1.5枚分。
お弁当用としては2枚入りパックを買えばよいが、朝晩の食事を考えると、もう少し買っておかねばならない。魚も野菜もしかり。
誤算だったのは、作り置き。
今まで作っていた作り置きの分量だと、だいたい1日でなくなるのだ。
もう、作り置きじゃなくなっている。
だから、この頃は夕飯を作るときに、副菜を多く作るかお弁当用に別の副菜を毎日作る羽目になっている。
大変そうに見えることを、何故続けているのか。
それは、自分のためでもある。
自分の作った料理を食べてくれる人がいる、というのはなんとありがたいことかと思う。私がひとり暮らしだったら、多分栄養バランスや彩りを考えたり、手作りすることは滅多にないだろう。
私には、食べてくれる人がいることは、作る原動力になっている。
そして自分も同じ食事を食べることができている。
そこに夫の同僚という外部の人が加わる。
そうすると、新たなメニューに挑戦してみようと思う。
また、夫以外の人に料理の感想を聞くことができて勉強にもなる。
同僚からは”材料費”という名の手間賃をいただく。
(我が家の経済は生活には困らぬものの、富豪ではないのでね。)
この同僚の感想や材料費というものが、私に少しの自信をもたらす。
材料費を差し引いて、光熱費を差し引いて…実際にはそんなに細かな計算はしていないからわからないけれど、商売だったらたぶん早々に閉店に追い込まれる事態…くらいの金額だろう。
でも、その感想や手間賃はお弁当を作らなかったら生み出せない結果だから、自信につながる。
だから、少しだけ大変だけれど、今日もお弁当を三つ作った。